【入門】ネットワークとは? 基本知識、OSI参照モデル解説

チュートリアル記事

本記事ではネットワークの基本知識と、通信に必須となるOSI参照モデルについて解説します。

1.ネットワークとは

IT業界でいうところのネットワークとは、複数台のコンピュータをケーブルや電波など接続して、
相互に情報をやりとりする仕組みをネットワークと言います。

普段利用しているインターネットや、メールの送受信、共有ファイルの参照などは全て、ネットワークを利用しています。
ネットワークが無ければ、個々のコンピュータや機器は孤立したものでしかありません。

2.ネットワークの分類

コンピュータネットワークは接続範囲別にLANWAN の2 種類に分類することができます。
LAN は限られた場所で構築されたネットワークです。

WAN は広い範囲にわたって構築されたネットワークです。
一般的には電気通信事業者が提供するサービスを使用し、インターネットに接続します。

インターネットとは各地のネットワークが接続された、世界規模のネットワークです。
 企業だけでなく多くの家庭がインターネットに接続しています。

3.ネットワークアーキテクチャとプロトコル

我々が会話するときは、日本語や英語といった言語をで会話します。
ネットワークの世界ではコンピュータが通信するときには、「ネットワークアーキテクチャ」を利用します。

言語には、文字の表記、発音、文法などのルールがあります。
ネットワークアーキテクチャでも同様です。

通信のルールを「プロトコル」と呼びます。
複数のプロトコルを組み合わせたものがネットワークアーキテクチャとなります。

3-1.プロトコルとは

コンピュータ同士が通信をするときは事前にルールが決まっています。

例えば「ファイルを受け渡しする通信を行うときはFTPというルールに従ってやり取りをする」のような、全世界的なルールがあります。

そして「通信プロトコル」を意図する省略表現として、コンピュータの世界で一般的に使われているのが「プロトコル」という用語です。

世の中には、いろいろな通信プロトコルがあります。
例)

  • IP(インターネット・プロトコル)
  • TCP(トランスミッション・コントロール・プロトコル)
  • FTP(ファイル・トランスファー・プロトコル)
  • SMTP(シンプル・メール・トランスファー・プロトコル)
  • HTTP(ハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコル)
  • NTP(ネットワーク・タイム・プロトコル)

4.OSI 参照モデル

OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルとは、国際標準化機構(ISO)により策定された、ネットワークアーキテクチャに必要なプロトコルの組み合わせを考える為のモデルです。

通信に必要なルールや機能、すなわちプロトコルを次の7つの階層に分けて考えています。

第7層 (レイヤ7) アプリケーション層
第6層 (レイヤ6) プレゼンテーション層
第5層 (レイヤ5)セッション層
第4層 (レイヤ4)トランスポート層
第3層 (レイヤ3)ネットワーク層
第2層 (レイヤ2)データリンク層
第1層 (レイヤ1)物理層
OSI参照モデル

4-1. 第1層(レイヤ1)物理層

第 1 層 物理層はコンピュータ間の通信データを物理的に伝えるための役割を担ってる階層です。
この物理層のプロトコルによって、コンピュータ内部で扱ってる「0」と「1」のデジタルデータを電気信号や光信号に変換します。

4-2. 第2層(レイヤ2)データリンク層

第2層データリンク層は、1つのネットワーク内でのデータの転送を行う為の階層です。
ルータなどで区切られた1つのネットワークの中という限られた範囲におけるデータの転送を行います。

4-3. 第3層(レイヤ3)ネットワーク層

第3層ネットワーク層は、異なるネットワーク間のデータを転送する役割を担ってます。
データの送信元と宛先が異なるネットワーク上に接続されていたとしても。ネットワーク層によって正しくデータを送り届けることができます。
また、ネットワーク間の最終的な送信元と宛先の間のデータの転送のことを「エンドツーエンド通信」と呼びます。

4-4. 第4層(レイヤ4)トランスポート層

第4層トランスポート層の役割は、エンドツーエンド通信の信頼性を確保することです。
アプリケーション間の通信で大きなサイズのデータを送りたいときには、複数に分割して送ります。
分割されたデータの再構成や順序を明確にしたりするなどの制御を行い、エンドツーエンド通信の信頼性を確保します。

4-5. 第5層(レイヤ5)セッション層

第5層セッション層の役割は、アプリケーションへのデータの振り分けです。
コンピュータ上に複数のアプリケーションを同時に起動している場合、届いたデータを宛先のアプリケーションへ正しく振り分けなければいけません。セッション層のプロトコルによって、アプリケーションへのデータの振り分けを正しく振り分けます。

4-6. 第6層(レイヤ6)プレゼンテーション層

第6層プレゼンテーション層は、データの表現形式を一致させる役割を担っています。
「0」 と「1」のデジタルデータ(画像や文字など)を人間が理解できる表現に変換します。

4-7. 第7層(レイヤ7)アプリケーション層

第7層アプリケーション層は、ユーザが利用するアプリケーション固有のルールを決めています。
例えば、Web サイトを見る場合を考えると、ブラウザからWeb サーバへ内容を送ってくれるようにリクエストし、レスポンスとしてWeb ページの内容を転送します。転送されてきたWeb ページの内容をブラウザで表示することで、Web サイトを見ることができます。

5.TCP/IP

TCP/IP とは TCP と IP を中心としたプロトコルをまとめたネットワークアーキテクチャです。
TCP/IP もOSI参照モデルと同様に、ネットワーク上の通信の仕組みを階層で考えています。
OSI 参照モデルよりもシンプルに4 階層となっています。

アプリケーション層
トランスポート層
インターネット層
ネットワーク
インターフェース層
TCP/IP 階層モデル

以下のようにTCP/IP はOSI参照モデルの各層に対応しています。

6.まとめ

ネットワークの基本的な知識を紹介しました。
IT化が進む時代において、ネットワークに関する基本的な知識は必要不可欠となります。
今後ネットワークの運用を行う方は是非知識を深めてください。